RX-7 FC3S・FC3C型開発の軌跡

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開発の軌跡 RX-7 FC3S・FC3C型編

初代サバンナRX-7登場から、サバンナRX-7 FC3S型の誕生まで非常にマツダ開発陣を悩ましました。初代サバンナRX-7以上のスポーツカーを作るためにはどうしたら良いのか?そもそもスポーツカーの魅力とは何なんだろうか?考えれば考えるほど深みにはまるマツダ開発陣ですが、答えは意外なところにありました。

出典:http://www.photo-ac.com/

 
 

ゼロからの発進

純粋なスポーツカーに追い求めたもの

1978年から7年半に渡り生産を続けたサバンナRX-7は、日本だけでなくアメリカでも人気でした。それは、レースの実績が大きいです。サバンナRX-7は生産終了し、2代目のRX-7の開発テーマがここ1年半ほど考えられていました。そして導き出されたのが、「スポーツカーとは何か?」でした。当時の開発メンバーは、「参考になるものならば、どんな車でも肌で感じられるところまで乗りました。」と語っています。高性能車の誕生やモータースポーツの発生は、より速くという欲求と、他の誰よりも速くという競争心によるものです。それは、自動車業界に逆風が吹くなかで誕生したサバンナRX-7が存在することで取り組めた、スポーツカーという価値の定着を目指した新しい開発でした。 1

心地よい緊張感が感じられる車

時代とともに、モノの価値は変わっていきます。それは、スポーツカーでも当てはまります。そして、ついに純粋なスポーツカーに追い求めた答えがマツダ開発陣から出ました。「心地よい緊張感が感じられる車」です。昔のスポーツカーは、たとえスピードが遅くても、それを乗って操ることで興奮できました。それがスポーツカーの魅力だったと思います。スポーツカー開発において重要なのはドライバーに飽きられない車を作らなければなりません。ただ直進の安定性が良くて速いだけではだめです。運転に「心地よい緊張感」が存在することが重要であるという結論に達しました。そうして1985年10月に誕生したのが、サバンナRX-7 FC3S型です。サバンナRX-7 FC3S型の構成は、車体表面の突起を減らし、幅広い偏平タイヤ(※1)を収めるためにブリスターフェンダー(※2)を持った張りのあるボディになっています。これは、初代サバンナRX-7の小型・軽量からイメージを一新する重厚さを加えていました。車体は、全長が少し短くりましたが、幅と高さは増え、厚みのあるスタイルを実現しています。 2  3

※1. タイヤの断面幅に対する断面の高さの比率である「偏平率」が低いタイヤのこと。ロープロファイルタイヤとも言う。 4
※2. 膨らんだ(ワイドな)フェンダー(※3)のことを言う。 5
※3. 自動車車体の部品、部位の一つ。回転するタイヤ自体から、あるいはタイヤによる石、泥、水などのはねから乗員や歩行者を保護するもの。 6

12A型から13B型のエンジンへ変更

サバンナRX-7 FC3S型のエンジンは、12A型(※1)から13B型(※2)のエンジンへ変更されています。
エンジン排気量654cc×2(1,308cc)の直列2ローターのロータリー13B型エンジンは、空冷式インタークーラー付ツインスクロールターボチャージャー(※3)を装備し、馬力は駆動系を経て実際に走りにつながり最高出力は185psとなりました。
前後重量配分は、50.5対49.5で、フロント・ミッドシップ(※4)を継承しさらに進化を遂げました。
サスペンションは、フロントがストラット式(※5)で、リアは初代サバンナRX-7のリジッド(※6)から、ラテラルロッド付(※7)のセミトレーリングアーム(※8)という独立式(※9)に変更しました。余談ですが、リアサスペンション(※10)には、トー・コントロール・ハブ(※11)を採用することにより、4輪操舵(4WS)(※12)の技術を応用しています。 7  8

※1. マツダが開発・製造していた直列2ローターのガソリンエンジンである。 9
※2. マツダが開発・製造していた直列2ローターのロータリーガソリンエンジンである。 10
※3. 断熱的に圧縮され昇温した空気を冷却するためのクーラーで、空気によって直接冷却する装置の付いた、排気通路に特徴のあるターボチャージャー(過給機)で、エキゾーストマニホールドからタービンハウジングへの流路が2つに分割されたものを指す。 11  12
※4. 自動車におけるエンジンの搭載法の1つで、船体中心という言葉が示す通りエンジンを車体の中心付近に配置する構造。フロントとあるので前方に搭載している。 13
※5. サスペンション方式の一種で、テレスコピックショックアブソーバー自体を懸架装置とし、それにばねと車輪を取り付けた構造のもの。 14
※6. 自動車のサスペンション形式のひとつで、左右の車輪が車軸でつながっているもの。車軸懸架、リジッドアクスル(rigid axle)、固定車軸式等とも呼ばれる。 15
※7. リアアクスル(車軸)と車体を結合する横方向のロッドのこと。 16
※8. 自動車の独立懸架方式のひとつで、スイングアームが車軸の前方に配置され、スイングアームのピボット軸が車両の進行方向に対して斜めに配置された形式。 17
※9. 自動車等のサスペンション形式のひとつ。 18
※10. 主に車両において、路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置としての機能と、車輪、車軸の位置決め、車輪を路面に対して押さえつける機能を持つことで、乗り心地や操縦安定性などを向上させる機構。リアなので降臨を結んでいるところ。 19
※11. トーとは足のつま先のことで自動車を真上から見た時、タイヤの角度を表わします。それを制御するための車輪中心で放射状に固定する部品を指す。 20  21(%E6%A9%9F%E6%A2%B0)
※12. 自動車のステアリング機構(操舵方法)の一種。四輪自動車の全車輪に対して能動的に舵角を与えることにより、高い速度域での車両安定性を向上させる、あるいは極低速域での小回り性を向上させる方法である。 22

アンフィニを限定発売

サバンナRX-7 FC3S型の発売の翌年に、2座席仕様の∞(アンフィニ)を、300台の限定で発売しました。
BBS社製の鍛造アルミホイール(※1)、専用ダンパー(※2)、アルミ製ボンネットフード(※3)などを装備しています。また、新しい車種が追加になり、1987年8月には、ロータリーエンジン車販売20周年を記念して、カブリオレ(※4)を追加しました。この車種の特徴は屋根で、そのときの気分に応じて、フルオープン(※5)、タルガトップ(※6)、クローズド(※7)から選ぶことができるおもしろい作りでした。そして座席後方には、オープンの際に風の巻き込みを抑えるエアロボード(※8)を備えていました。1989年に行ったマイナーチェンジ(※9)では、エンジンの圧縮比を高め、ターボチャージャー(※10)の改良を行い、インディペンデント・ツインスクロールターボ(※11)を採用して、205psへ馬力向上させることに成功しています。同時に、エンジン各部についてもローター(※12)やフライホイール(※13)の軽量化により、アクセル操作への反応を改善しています。 23

※1. アルミニウム合金を鍛造(高圧プレス、加熱、裂開、圧縮進展、熱処理など)成型する。生産に手間を要するために高価であり、成型時のデザイン自由度に制限がある。 24
※2. 振動する機械構造や建築物の振動を減衰する装置。ショックアブソーバーと呼ばれる。 25
※3. 自動車のエンジンの上に備えられたヒンジ式のカバーである。 26(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)
※4. 屋根がないか、もしくは屋根開放が可能な乗用自動車を指す。オープンカーとも言う。 27
※5. オープンカーのこと。 28
※6. オープンカーの一形態。主に2人乗りのスポーツタイプの自動車に採用されている。頭上のルーフパネルのみを外せるようになっており、Bピラーは固定されている。 29
※7. 一般的な屋根つき車体 30
※8. マツダのロードスターに装着されているもので、オープン走行時に後方から足元への風の巻き込みを大幅に減少させる効果がある。 31
※9. 変更が小規模な場合のことを指す。 32
※10. 排気の流れを利用してコンプレッサ(圧縮機)を駆動して内燃機関が吸入する空気の密度を高くする過給機のこと。 33
※11. 切替えバルブを持たない構造で、タービンハウジングへ繋がる排気流路が分割され2つの排気ガス入り口を持つターボチャージャーである。 34
※12. ロータリーエンジンの部品のひとつである回転子。 35
※13. 回転系の慣性モーメントを利用した機構に用いられる機械要素のひとつ。 36

【参考にしたサイト】
  1. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p2.html
  2. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p2.html
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BBRX-7
  4. https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/products/dictionary/flatness.html
  5. https://www.webcartop.jp/2017/05/121743
  6. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)
  7. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p2.html
  8. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BB13B%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  9. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BB12A%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  10. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BB13B%E5%9E%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  11. https://www.weblio.jp/content/%E7%A9%BA%E5%86%B7%E5%BC%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC
  12. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9C
  13. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97
  14. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E5%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
  15. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8A%E8%BB%B8%E6%87%B8%E6%9E%B6
  16. http://www.tmy-net.co.jp/street_ride/spec_lateralrod.html
  17. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0
  18. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E6%87%B8%E6%9E%B6
  19. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
  20. http://www.suekage.co.jp/alignment/yougosetumei/too/too.htm
  21. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%96_
  22. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E8%BC%AA%E6%93%8D%E8%88%B5
  23. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p2.html
  24. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB
  25. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%96%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC
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  29. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97
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  31. https://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
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  35. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC
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