RX-7 SA22C型開発の軌跡

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開発の軌跡 RX-7 SA22C型編

RX-7 SA22C型が登場してから生産終了までの開発の軌跡をまとめていきます。初代RX-7から怒涛の記録を更新し突っ走ってきた孤高のロータリーRX-7をご覧ください。

出典:http://www.photo-ac.com/

 
 

スポーツカー不毛の時代に終焉を告げたマツダ

ロータリー・ロケット(※1)の登場

マツダRX-7は、1978年3月に初代RX-7 SA22C型が生まれました。当時、国内では、サバンナRX-7と言う名前で知られていました。
RX-7が登場した、70年代後半は、第二次オイルショック(※2)の真っ只中で、原油が高騰し、日本国内では深夜のテレビ放送の自粛や、日曜・祝日のガソリンスタンド休業などが行われました。また、アメリカのマスキー法(※3)を受けて日本でも1973年から排ガス規制(※4)が始まりました。当時は、ガソリンエンジン車に対し世界でもっとも厳しく排ガス浄化を求めるものとなりました。そうした社会情勢や、規制の施行など、取り巻く環境によって、自動車業界は逆風の時代でした。そこへ自動車への夢を支える一条の光として登場したのが、サバンナRX-7でした。 1

※1. マツダが生み出したロータリーターボエンジン搭載のスポーツカーRX-7を言う。 2
※2. 1979年(第2次)に始まった(ピークは1980年)、原油の供給逼迫および原油価格高騰と、それによる世界の経済混乱である。石油危機(せきゆきき、英語: oil crisis)または石油ショックとも称される。 3
※3. 大気浄化法改正法のこと。アメリカの上院議員、エドムンド・マスキーの提案によるためこの通称が付けられた。 4
※4. 自動車の内燃機関から排出される一酸化炭素 (CO) ・窒素酸化物 (NOx) ・炭化水素類 (HC) ・黒煙などの大気汚染物質の上限を定めた規制の総称である。正式名称は、自動車排出ガス規制。 5

夢を支える一条の光として登場したサバンナRX-7

サバンナRX-7は、世界で唯一マツダが量産したロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツ(※1)の後継車です。排ガス規制を受けてガソリンを自由に使うことが、はばかられた時代に登場した車種だけに世界中が驚き注目しました。
他の車種は、排ガス規制を満たすために、エンジン出力(馬力)を落しました。しかし、サバンナRX-7は、エンジン単体でのグロス値(※2)は、130psを誇ります。これは、ロータリーエンジン(※3)の性能をいかんなく発揮した結果です。
ロータリーエンジンは構造上高回転まで軽やかに吹き上がります。レシプロエンジン(※4)に比べ圧倒的に軽量小型であるため、フロントにエンジンを載せながら車体の中心近くに配置するフロント・ミッドシップ(※5)により、前後の重量配分は、2名乗車時で50.7対49.3という理想的な設計をされています。サバンナRX-7のすごさは、エンジンだけではありません。操縦性は、スポーツカーにふさわしい軽快ななものに仕上がっています。また、サスペンション(※6)は、フロントにストラット式(※7)、リアはワットリンク(※8)を持つ4リンク・リジッド(※9)で、レース活動で培ったノウハウを活かしています。 6

※1. 1967年(昭和42年)5月に2シータークーペモデルとして発売された。同時に世界初の実用・量産ロータリーエンジンを搭載した自動車でもあった。 7
※2. 十二進法による数量の単位。 8
※3. 一般的なレシプロエンジンのような往復動機構による容積変化ではなく、回転動機構による容積変化を利用して、熱エネルギーを回転動力に変換して出力する原動機である。 9
※4. 往復動機関あるいはピストンエンジン・ピストン機関とも呼ばれる熱機関の一形式である。 10
※5. 自動車におけるエンジンの搭載法の1つで、船体中心という言葉が示す通りエンジンを車体の中心付近に配置する構造のことである。フロントとあるので車体の前方部分に位置する。 11
※6. 主に車両において、路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置としての機能と、車輪、車軸の位置決め、車輪を路面に対して押さえつける機能を持つことで、乗り心地や操縦安定性などを向上させる機構である。 12
※7. サスペンション方式の一種で、テレスコピックショックアブソーバー自体を懸架装置とし、それにばねと車輪を取り付けた構造のもの。ストラット式サスペンションが正式名称。 13
※8. ジェームス・ワットが考案した近似的に直線運動を行うリンク機構で、Z字形をした3本のリンクで構成されているものを指す。 14
※9. リジットとはサスペンションの一種で、簡単に言うと、左右の車輪を一本の棒でくくっていて、例えば右車輪が上がると左車輪が下がるような構造のもののこと。 15

数度のマイナーチェンジその理由は?

初代RX-7は、1978年の発売からいくどかのマイナーチェンジ(※1)を行いました。なぜかと言うと、1979年のマイナーチェンジでは、エンジンを希薄燃焼方式(※2)に改め、排ガス浄化方法(※3)もサーマルリアクター式(※4)から触媒方式(※5)に変更しました。これによって、燃費が向上することに成功しました。1980年のマイナーチェンジでは、ボディと一体形状のエアダム付ウレタン製バンパー(※6)を採用しました。これによって、RX-7のスタイルの完成度をより高めただけでなく、空気抵抗係数(Cd値)(※7)を、従来の0.36から0.34へ改善する効果も備えていました。その他、エンジンと車体の軽量化も行い、エンジンのガスシール性(※8)の改善などにより、当時の10モード燃費で9.2km/l(5速MT車)を実現しました。 16 ただでさえ軽いロータリーエンジンですが、マツダの開発技術によってさらなる軽量を実現できたんですね。開発者たちに敬意を払いたくなります。

※1. 変更が小規模な場合などはマイナーモデルチェンジ(マイナーチェンジ)とも呼称される。 17
※2. スロットルの絞りを減らす一方で、混合するガソリンの量を増やさずに燃焼を安定させる技術。 18
※3. 燃料が燃焼することによって発生する排ガスを浄化する方法。 19
※4. エンジンの排気中の炭化水素と一酸化炭素を熱により低減させる排気対策装置。 20
※5. ガソリン車・ディーゼル車の排出ガス中の3種類の有害成分を酸化・還元によって同時に浄化する装置。三元触媒と言う。 21
※6. エアダムとは、車体の前方下部に取り付けて、気流が車体の下に潜り込まないようにすることである。エアダムが付いたウレタン製のバンパーという意味。 22
※7. 外形の大小にかかわらず、個々の物体の抗力特性を数値で示したもの。 23
※8. 材料が空気中の酸素に触れると品質の低下や危険な反応が起こる場合、空気に触れないように遮断する不活性ガス(アルゴン、ヘリュームや炭酸ガス、窒素など) 24

モータースポーツでの栄冠

初代RX-7は、モータースポーツでの活躍も目覚しく、1979年のアメリカで開催されるデイトナ24時間レース(※1)では、初参戦でクラス優勝という快挙を成し遂げました。ライバルの日産フェアレディZや、ポルシェ911と競い合いながらの優勝となりました。その他、アメリカだけでなく、日本国内のラリーでも、数多く上位入賞しています。ロータリーエンジンのシンプルな構造は、安価で高い性能をもたらすことから、世界中のモータースポーツ愛好家たちは、歓喜に震えました。 25

※1. フロリダ州デイトナにあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開始以来毎年1月の最終週と2月の初頭に開催されている。自動車の耐久レースの1つ。 26

【参考にしたサイト】
  1. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/
  2. https://matome.naver.jp/odai/2140880275190862901
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF
  4. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B0%97%E6%B5%84%E5%8C%96%E6%B3%95#%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E6%B3%95%EF%BC%881970%E5%B9%B4%E6%94%B9%E6%AD%A3%E6%B3%95%EF%BC%89
  5. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E6%8E%92%E5%87%BA%E3%82%AC%E3%82%B9%E8%A6%8F%E5%88%B6
  6. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/
  7. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A2#%E5%88%9D%E4%BB%A3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%EF%BC%881967%E5%B9%B4_-_1972%E5%B9%B4%EF%BC%89
  8. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%82%B9
  9. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  10. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  11. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97
  12. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
  13. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E5%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
  14. https://www.weblio.jp/content/%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF
  15. https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q107421605
  16. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/
  17. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B8
  18. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3
  19. https://patents.google.com/patent/WO2017042896A1/ja
  20. https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC
  21. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%85%83%E8%A7%A6%E5%AA%92
  22. https://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%A0
  23. https://www.weblio.jp/content/%E7%A9%BA%E6%B0%97%E6%8A%B5%E6%8A%97%E4%BF%82%E6%95%B0
  24. https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q143742069
  25. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BBRX-7
  26. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%8A24%E6%99%82%E9%96%93%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9