RX-7 FD3S型開発の軌跡

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開発の軌跡 RX-7 FD3S型編

RX-7の最終形態とも言うべき、アンフィニRX-7 FD3S型ですが、このモデルを最後にRX-7の歴史が幕を閉じることになります。マツダ開発陣が最後に掲げた開発テーマとはどのようなことだったのでしょうか?

出典:http://www.photo-ac.com/

 
 

「ロータリーエンジン・ベスト・ピュア・スポーツカー」を目指して

アンフィニRX-7 FD3S型 特徴まとめ

3代目RX-7からサバンナが外れて、アンフィニRX-7 FD3S型とモデル名称が変わりました。
アンフィニRX-7の開発コンセプトは、環境面の対策なども考慮して、いろいろ議論されました。リアミッドシップ(※1)案、3ローターエンジン(※2)案、NAエンジン(※3)案、ターボエンジン(※4)案などです。最終的に出た結論は、ロータリーエンジン・ベスト・ピュア・スポーツカーです。ライトウェイト(※5)を求め、ボディを極限まで軽量化することが、開発者の考えるRX-7の最高の形態でした。
アンフィニRX-7の特徴は、3ナンバー専用車体を採用したことです。3ナンバー車というのは、道路運送車両法で定められている自動車の区分のことです。 1※ 2代目RX-7との変更点は、全長、ホイールベース、全高はそれぞれ小さくなったことと全幅が広がったことです。この変更により低い姿勢で走行安定性と運動性の向上しました。 2

※1. 自動車におけるエンジンの搭載法の1つで、船体中心という言葉が示す通りエンジンを車体の中心付近に配置する構造のことである。後方にエンジンを設置すること。 3
※2. 一般的なレシプロエンジンのような往復動機構による容積変化ではなく、回転動機構による容積変化を利用して、熱エネルギーを回転動力に変換して出力する原動機で、ロータリーを現状2つ使っているのを3つに増やす案です。 4
※3. ターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機を使わず大気圧でシリンダー内に吸気する、エンジンの区別方法のひとつ。自然吸気エンジンと呼ぶ。 5
※4. 排気の流れを利用してコンプレッサ(圧縮機)を駆動して内燃機関が吸入する空気の密度を高くする過給機。 6
※5. 自動車のカテゴリの1つで、比較的軽量かつ小型のスポーツカーの総称。 7

アンフィニRX-7の開発方針

アンフィニRX-7の開発方針は、ロータリーエンジン(※1)の特性を活かし、フロント・ミッドシップ(※2)を受け継いだ後輪駆動を採用することです。つまり、前後重量配分を50対50の理想値で、さらにヨー(※3)の慣性モーメント(※4)を下げ、低重心する方針を打ち立てました。ベスト・ピュア・スポーツカーにふさわしい運動性能を得るため、パワー・ウェイト・レシオ(※5)は5.0kg/psを下回るための開発をしていました。つまり車体の軽量化が3代目アンフィニRX-7には必須項目でした。具体的な開発は、バネ下重量軽減(※6)のため、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション(※7)は、オールアルミ製(※8)を採用しました。車体は、大きな荷重のかからない部分は肉抜きし、強度の必要な箇所に補強を入れる、モノコック・スペース構造(※9)を採用しました。室内にも、ペダル(※10)などインテリアにアルミを用いるなど徹底した軽量化のため、細かい部分にも改良が施されています。 8

※1. 一般的なレシプロエンジンのような往復動機構による容積変化ではなく、回転動機構による容積変化を利用して、熱エネルギーを回転動力に変換して出力する原動機。 9
※2. 自動車におけるエンジンの搭載法の1つで、船体中心という言葉が示す通りエンジンを車体の中心付近に配置する構造のことでフロント(前方)に持ってきていること。 10
※3. 鉛直軸周りの回転もしくは回転運動のこと。車両・船舶・航空機など輸送機器の分野などで扱われる 11
※4. 物体の角運動量 L と角速度 ω との間の関係を示す量。 12
※5. 重量を出力で除した商であり、自動車などの加速能力に関わる指標として用いられる数値。 13
※6. サスペンションのバネを境にして下についている部品(タイヤ、ホイール、ブレーキ系、それを支えるハブキャリアやアクスルなど)の総重量のこと 14
※7. 自動車の懸架の方式のひとつで、独立懸架に分類される。 15
※8. 内部構体をほぼ全てアルミニウム合金で製造したもの。 16
※9. 自動車・鉄道車両・ミサイル・一部の航空機などの車体・機体構造の一種で、車体・機体の外板に応力を受け持たせる構造のこと。 17
※10. 一般的な自動車の運転にあっては、手が主として操舵を担当するため、足でペダルを踏むことによって速度を調節する。 18

全体的に大幅なパワーアップをしたアンフィニRX-7

アンフィニRX-7の改良は、軽量化だけではありません。パワー・ウェイト・レシオ5.0kg/ps以下にするためには、エンジンも進化させる必要がありました。シーケンシャル・ツインターボチャージャー(※1)と、ハイスピードEGIシステム(※2)により、従来に比べ50psも性能向上させ、255psまで馬力を高めることができました。そして、当初の目標としていたパワー・ウェイト・レシオを下回る4.9kg/psとなりました。他にも、サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンとし、4輪ダイナミック・ジオメトリー・コントロール(※3)を採用したことで、自然な操縦性が実現されました。 19※ 高性能かつ美しいスタイルは、まさにピュアスポーツを象徴するかのようです。

※1. エンジンの作動状態によって二つのターボチャージャーを使い分けるのがシーケンシャルターボである。 20
※2. ホットワイヤー式エアフロメーターが主流である(日産自動車では、日産・ECC(電子制御キャブレター)からの流れを引き継ぎ、燃料噴射装置を含めたエンジン集中制御システムECCS(Engine Central Control System)として併記している場合が多い)。 21
※3. サスペンションのロールステア、コンプライアンスステア、キャンバー角変化、瞬間回転中心などのジオメトリー特性を最適化するために、サスペンションの配置や支点の位置を調整することをいう。 22

ひとつの時代の終了

1991年発売のアンフィニRX-7には、S、X、Rという3つのグレードを設定されました。中でも走りに特化したのがタイプRです。デファレンシャル(※1)のファイナルギア比(※2)を4.100とし、他のSやXの3.909と異なる数値を与えることで、鋭い加速を実現しています。また、サスペンションの設定も、タイプR独自の操縦安定性をより重視されています。
1993年のマイナーチェンジでは、従来のタイプRの廉価版となる2座席のR-2を追加し、タイプSとXは、4速オートマチック専用(※3)となりました。また、国産車ではじめての17インチ径で、フロント40%/リア45%という偏平サイズのスポーツラジアルタイヤ(※4)をオプション設定で販売しました。
1996年のマイナーチェンジでの変更点は、エンジンを265psにまで馬力アップし、テールランプ(※5)は丸型3連になっています。
1999年、ニューRX-7(※6)と名称を変更しました。変更内容は、ターボチャージャー(※7)の高効率化などにより最高出力を280psにまで引き上げました。サスペンションやタイヤも見直し、乗り心地と操縦安定性を両立しながら向上させています。デザイン面でも、フロントエアダクト(※8)の大型化や、大型リアスポイラーの装備しています。安全面では、運転席に加え助手席にもSRSエアバッグを全車で標準装備しました。 23
2002年8月ロータリーエンジン初の量産市販車、コスモススポーツ(※9)の伝統を受け継いだRX-7は、このモデルで生産を終了しました。ひとつの時代に終わりを告げました。 24

※1. 機械的機構の一種で、二つの部分の動きの差を検出、あるいは動力に差をつけ振り分ける装置。歯車を使った差動歯車やねじを使ったものなどがある。 25
※2. 左右の後輪タイヤの中心に位置するデファレンシャルを構成する一部です。 26
※3. 4速まで自動で変速するトランスミッション(※10)のこと。 27
※4. 自動車のタイヤの設計の一つ。 28
※5. 自動車・鉄道車両・自転車といった乗り物の後部にあるライトのこと。 29
※6. 1999年のマイナーチェンジ時のRX-7のモデル名。 30
※7. 排気の流れを利用してコンプレッサ(圧縮機)を駆動して内燃機関が吸入する空気の密度を高くする過給機。 31
※8. 自動車などの内部で換気・冷却用などの空気を導くパイプをいう。フォロンとなので前にあるもの。 32
※9. 1967年(昭和42年)5月から1996年(平成8年)にかけて、マツダが生産・発売していた乗用車である。国産車初のロータリーエンジン搭載車。 33
※10. 車両がエンジンで駆動される場合、終減速機との間でエンジン回転数を変速し、走行に適した回転数に可変する装置をいう。 34

【参考にしたサイト】
  1. http://w-wallet.com/page127.html
  2. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p3.html
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97
  4. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  5. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E5%90%B8%E6%B0%97
  6. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC
  7. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84
  8. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p3.html
  9. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
  10. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97
  11. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%BC
  12. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%A3%E6%80%A7%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88
  13. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%82%AA
  14. http://www.webcg.net/articles/-/19264
  15. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
  16. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0%E5%90%88%E9%87%91%E8%A3%BD%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93%E8%BB%8A%E4%B8%A1
  17. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AF
  18. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%80%E3%83%AB#%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%81%AE%E3%83%9A%E3%83%80%E3%83%AB
  19. http://www2.mazda.com/ja/stories/history/rx-7/story/p3.html
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  33. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A2
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